米国下院・金融サービス委員会は2015年3月14日、「消費者保護:コンピューターハッカー時代の財務データセキュリティ」について、PCISSC(PCI国際評議会)のゼネラルマネージャー、S.オルフェイ氏を招いて公聴会を行いました。
15分ほどのダイジェストにまとめたビデオが、SSCから公開されていますので、その要点をご紹介します。ビデオと合わせてごらんください。
米国公聴会で発言するS. Orfei氏
【オルフェイ氏発言の主な要点】
- サイバー犯罪を防ぐために、PCISSCは様々な活動をしております。基本はマルチレイヤーにおけるセキュリティの強化で、まず必要のないデータは保持しない、そして保持が必要なデータについては保護、対策をきちんとするということです。
- それでも近年、サイバー犯罪は増加しており、それに対抗するために、私たちの経験を共有する必要があります。
- サイバー犯罪を解決することに、技術的な特効薬はありません。これには24時間365日の地道な対応が必要であり、私たちは共同で一緒に仕事をしなければ、解決できません。
- さらにP2PE(Point to Point暗号化)と、トークン化とともに使用されるEMVチップ技術は、サイバー犯罪の終焉に役立ちます。
- しかしながら、カードのIC化が絶対的な特効薬ではありません。我々にとってサイバー犯罪対策の完成とは、たとえ盗まれたカードデータがサイバー犯罪者の手に渡っても、価値のないものになることです。
- 他の産業でも、我々のソリューションを参考にして、増加している医療記録、個人情報の盗難、犯罪と戦うために使用できる可能性は高いと思います。
- PCIDSSに準拠することにより、99.9%のセキュリティはカバーされます。我々は他の産業とも協力し、サイバー犯罪の防止に今後とも努めて行きたいと考えます。
- 繰り返しになりますが、コンプライアンスの単純な特効薬はありません。技術の進歩に伴いICチップ化、P2PE、トークン化など様々なレイヤーで、24時間365日、顧客のデータを保護するためのリソースとベストな選択が必要であり、PCISSCはそれに向かって努力してまいります。
余談ですが、ビデオの7分28秒あたりから、金融委員会のメンバーのちょっとしたジョークで、和やかな笑いが起こっています。 これは、オルフェイ氏がぜい弱なパスワードの例(たとえば「password」などをそのまま使っている人が多い)を話したことに対して、委員が「オルフェイさん、あなたは私のパスワードをみんなに教えてしまいましたね・・・」と発言しました。つまりこの委員は、自分がぜい弱なパスワードを使っているということを、ジョークとして言ったので、笑いが起きたということでしょう。米国らしいひと幕です。